沢木リフォーム会社
沢木が、大声で笑うと、まんざらでも無いように浜田も笑った。
沢木は、実に具体的に、そして単刀直入に切り出したのであった。それは、全て沢木の脳裏にある膨大なデータと人間関係、取引先から導びき出されるものであった。
沢木は、帳票等外注すれば良い。その外注先の印刷業者を示し、次にオフセット4色機の導入と、デザイン・版下会社を紹介。その会社から、書籍印刷の一部を引き受け、更に沢木が窓口になって、印刷受注を引き受けても良いとまで言った。
ある者は、まるで子供同士みたいな喧嘩すると、沢木と浜田の事を言う。沢木も浜田も子供時代そのままで、今も時折口喧嘩をするが、それは、沢木の過去に遡る。人並み外れたその記憶力は、彼から教師、友人を遠ざけた。人は嘘をつくもの・・子供の沢木には、それが理解出来なかった。
先に述べた、命を断とうとまで思いつめた沢木の少年時代は、決して明るいものでは無かった。しかし、浜田は違った。乱暴者で、誰彼無く攻撃し、彼も又真の友人は居なかった。そんな浜田の存在は、沢木にも当然矢を向けて、その攻撃の対象となったが、唯一と言える位、その心が手に取るように分かる人物であった。彼は純粋で乱暴者ではあるが、自分の心に正直であったからだ。それが沢木を安心させた。浜田は沢木が嫌いと言う。しかし、沢木はそんな浜田の裏表の無い生き方が好きなのであった。自分が、子供の頃に戻って口喧嘩が出来る相手として・・




