閃きの中で・・

沢木リフォーム会社

「わし、沢木さんが家に来られて、色々鳩も見て貰うた。自分の飼育管理についても色々足らん点も指摘して貰うたり、親鳩に対しては特に助言もあった。何でも自己流っちゅう、わし等の生きて来た世界は、特にそう言う所はあるきん、今までもそうやって鳩を飼うて来たんですわ。そやきんど、一つ一つ聞けば聞くほど合理的で、自己流ちゅう言葉に慢心してしもうて、肝心の種鳩の管理を怠たっとったんですわ。育雛期の餌やり、オフシーズンの餌やり・・全部基本があって、鳩舎一つにしても湿気対策、通気性・・・全てが見直さんといかんと思いましたわ。沢木さんとは、もう10年も前から知り合いですきんど、今回の合併話には、最初から大賛成じゃったし、自分の競翔も変わると思ったです」

　沢木はにこにこしながら聞いている。鶴巻は、中予連合会でも審査委員長を務める今や中心的存在。沢木は、競翔の世界から遠ざかっていたとは言え、あらゆる所で、方面で、既に色んな人間関係を築いていたのである。沢木はそれぞれの話を聞きながら、この場を解散する前にこう言った。