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沢木リフォーム会社
微塵の私心の無い、短く、力強い言葉は、会員達に反対の言葉を消滅させた。これが沢木なのである。
沢木が陰で策謀を巡らせ、連合会を変な方向に走らせようとしている・・そんな声が幾つか聞こえて来た。
西条が、乱暴で強引な言い方になったのは、そう言う事も含まれていたのである。しかし、沢木は更に会員達を納得させるべき資料を、この場で提出したのだった。
それは、競翔連合会後援会と言う新たな組織であった。競翔と言う枠内だけ、又周囲の同意も得られない孤立した趣味の会は、外部と言う壁を作ってしまう。競翔を身近に周囲に感じて貰い、色んなイベントを行う事によって、その裾野を広げようと言う企画案であった。既に賛助企業、競翔に関する輸送を申し出ている運送会社もあると言う事で、改めて沢木と言う人物が、どれだけこの短期間に競翔界の為に奔走しているのかも、この場で分かったのである。
それだけ、大きな行動力で持って、周囲を納得させるだけの準備をし、沢木はこの2連合会の合併や、様々な周囲の土壌すら改良の視野に入れながら、この世界に戻って来たのであった。




