沢木リフォーム会社
会場は沢木を注視したが、彼を知る者も多い。異論は出なかった。
沢木は、少し落ち着いた口調で、
「今、日本競翔界を取り巻く環境は、決して安穏と出来ん状況にあります。聞く所に因ると、近隣住民とのトラブルや、放鳩場所地でのクレーム、動物愛護協会等からの厳しい意見、そのパイは急速に狭まりつつあります。先程も山部会長が言われたように、世の中は景気が上昇中で、それに伴う放鳩車への経費も上がり、燃料代や放鳩に関する人件費も高騰しております。その中でも何十年も競翔を楽しみ、自鳩舎の改良に尽されて来た方々には、深く敬意を表する所ではありますきんど、問題は、人口の少ない過疎地域、又競翔するに海を二つも越えないかん四国競翔界にあっては、切実で、緊急なる改革が必要です。その為には、四国競翔界は、日本に先駆けて一つのモデル地区として、今様々な動きがあります。ご存知のように、白川系が、誕生50年にして初めて門外から出て、山部会長に委託されました。東予連合会にも、日本競翔界を代表するような血統が続々委託されておりますのは、周知の事と思います。それは、個人の栄誉やエゴでは決して無い。今言う四国ちゅう競翔界が、全国のモデルとなる為に動き始めて居る訳です。どうか、皆さん、一人では出来ない事も、同じ志を持って、鳩を愛する、熱き皆さんの熱意とご英断を持って、中・東予連合会の船出を応援して頂きたい。切磋琢磨する所に必ず向上があり、皆さんが胸を張れる、中・東予連合会として、是非盛り上げて欲しいんですわ」




