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由香里と勇次
川滝の言葉に、
「ほー・・良かったら混ぜて下さいや・・そやきんど、かーおいちゃん・・由香里ちゃんの目は、鬼と違うで、慈母観音さんの目じゃ」
「ふぉ・・お前もかーおいちゃんと呼ぶか・・ほな、とりよ。それは、お前の言う通りじゃ。一本取られたわい。確かに由香里ちゃんは慈母観音さんの目じゃの、失言じゃった」
松本も頷きながら
「わしもこれからとり言うて呼ぶぞ、妻鳥よ。鬼の目の沢木の話に戻るがの、この前20年ぶりにわしの所にひょっこり、その男が顔出して、何の奇遇か、由香里ちゃんの親父と親交があってよろしゅう頼みますと言う事じゃった。その時の事じゃ。とりはもう何年もわしの鳩舎に来とっても、流石に松風号は分かるきんど、勢山系の血を引くもう1羽の鳩は見抜けなんだろが?」
「は・・まあ・・そうじゃきんど・・難しいで、特に夜風系は殆ど見た目が変わらんきん」
妻鳥の言葉に、




