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沢木リフォーム会社
善さんは大きく頷いた。
「それだけ聞いたら充分や。そやけど、あの広大な土地、何ぼ山奥言うても、半端な金額では入手出来んかったやろ・・30代半ばで大手の広告代理店に勤めとったとは言え・・」
沢木は、
「善さん、表もありゃ、裏もあるんよ。はは。まあ、これからも何遍も行くきんな、あの藍川農場には」
多くをこの時沢木は語らなかったが、その計画は雄大にして誠に大胆。県内にある、大きくこれから成長しようと言うある企業に、その計画を打診し、そして実際に動き出そうとしていたのである。沢木の行く所、そして思考する所、この時目まぐるしく動き始めていたのだった。
日々の中で、ただ消費して行くだけの人生よりも、今自分は何をやり、どう生きるのか。誰もがいずれ訪れる人生終焉の時、「良い人生だったな」「つまらない人生だったな」どう感じるのかはその本人だけしか分からない。しかし、その言葉こそが、己の歩んで来た生き様なのである・・。
そして、又競翔の世界に話は戻って来る・・。




