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沢木リフォーム会社

 ここは、元鉱山の選鉱所と事務所があった場所らしくて、その鉱山閉山と共に一軒減り、二軒減り・・今は、この藍川の一軒が残るのみとなっているらしく、林業も高齢化と、輸入原木の影響で、殆ど管理も出来ない状況だと言う。この土地周囲を、大手広告代理店に勤めていた富士夫が退職金で購入し、脱サラしてここに牧場を造るのだと言う。沢木は、リフォームを請け負っただけでは無く、この牧場経営のトータルアドバイザーとして、助言と既に経営権を持っていて、本格的に今始動しているのだと言う。マルチな才能を発揮する沢木だが、あくまでも若夫婦の間接的な協力者として支援をする為に、こうやって時折訪問しては、色々な助言をしているのだと言う事だ。圭吾朗は、沢木のそんな姿に、全幅の信頼を置いていた。善さんは、そんな話を聞きながら、四国に来て良かった・・心からそう思うのだった。又ヤマチューも、眼の前に大きな山のようにどっしりと雄大で、且つ温かい心を持つ沢木の、その偉大な姿に自然と触発されて、大きくこの短期間の中で、彼自身を変えようとしていた。

 そんな時間を半日過ごして、


「ほな、圭さん、座って見てや」


 もう、友達のような親しみを込めて、圭吾朗に改造した椅子に座るように勧める善さんに、満面の笑みを浮かべる沢木と、ヤマチューだった。

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