閃きの中で・・

沢木リフォーム会社

　人間の正中心とは、正根と言い換えても良い。どこまで人を見抜くか、自分を保つ事が出来るかである。その為には、真っ直ぐな生き方をして無ければ、それは見えない。

　車の中に乗り込むと、ヤマチューの運転で、車はどんどん山間の方に進んで行く。

　沢木が、車中で善さんにこう言っている。

「善さん、今から行くとこは昔の鉱山の近くで、もう一軒しか残って無い人家なんですわ」

「ほう・・ほなな場所で改築かいの？家の」

　沢木は、続けて

「改築とは違うんじゃきんどな、この鉱山の所有会社から土地を買い取って、牧場を作ろうちゅうんが、その家の息子夫婦なんですわ。都会生活しとったんじゃきんど、老齢になった父親の面倒を見る為と、自分の夢をこの牧場に賭けて、自給自足の生活をしたいっちゅうんですわ」