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由香里と勇次
「おう・・あの沢木か?そう言や・・わしと一つ違い上の鎌足さんとこよう行っとったわのう・・あの偏屈で気難しい鎌足さんでさえ、沢木は天才じゃ、鬼の目しとる言うとった。そやきんど、わしの鳩舎には一回も来た事無かったわ・・」
そこへ妻鳥が顔を出す。
「お・・どしたんぞ、妻鳥・お前」
「あ・・やっぱりここだったんじゃね?いや・・ちょっとメモしとった帳面忘れたんかな思うて、引き返して来たんじゃけど、最初から家に忘れて来とったんかも知れんし・・」
松本が、
「集合場所には何も無かったぞ。片付けしたのわしじゃし・・」
「あ、ほなええんです。済んません」
「ま、時間あるんじゃったら、お前も入れや、丁度の、由香里ちゃんと、その昔、この東予連合会で天才鳩翔家、鬼の目をしとると呼ばれよった沢木ちゅう男の話しよったとこじゃ」




