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沢木リフォーム会社
善さんがヤマチューを見るなり、
「おほ・・一昔のやんちゃやっとったような修二を見とるようや、はは。聞いとる、お前がヤマチュー君言うんやの、よろしく」
「善さんの話は、よう社長から聞いとります、よろしゅうに・・」
沢木と善さんが向かい合って談笑する間に、ヤマチューは、注文を受けた資材を車に積み込んでいる。
「善さん、到着した早々で済まんこっちゃきんど、今から現場行くきん、一緒に行くかいね?」
沢木が言うと、善さんも、
「おう、是非お願いする。わしは、ずっと中(家具工場)の仕事やったからな、生きとる現場を見たいねや」
「よっしゃ、ほな荷物を車に積んでつか、出かけたついでにわしの家に寄るきんな」
善さんが、準備をする間にも、沢木が大声でヤマチューに指示を出している。にこにこしながら善さんがその姿を見ている。怒っては居るが、沢木のそれは、全く新川社長と変わらないものだった。愛情と温もりのあるもの。それをヤマチューもしっかり受け止めていた。
「はは・・あいつは、見込みあるわ・・」
善さんは、目を細めてそう呟いた。




