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師匠と共に
「わははは、そうじゃわ。多分の」
沢木と洋司が笑った。こうして、ヤマチューは電光石火の如くに、沢木のインテリアショップに転職する事になるのであった。しかし、そんなにヤマチューが思う程簡単な仕事では無いし、沢木も一端仕事に向かうと、容赦無しの叱責、厳しい現実が待っているのであった。
「あかん!何編も言わすなや!アホ!」
沢木の怒声が飛ぶ。
「はい!」
その叱責は、自分を一人前に育ててくれるもの、ヤマチューは実に素直に従っていた。
そんなあっと言う間の日々が過ぎ、善さんがやって来た。迎える沢木の笑顔。ヤマチューも、この老人が、沢木から聞いていた日本一の家具職人かと頭を下げた。




