師匠と共に
「はあ・・どなな建物にしたいんか、商売するんじゃろきん、玄関があっちで、奥の部屋じゃったら、海が見えらいね・・ほやきんど、このテーブル置くんじゃったら、わしなら、この部屋で西向きに置きますわ」
途端沢木の顔が変わった。ヤマチューが又どきりとした。
「聞いてもええか?何でそなん思うた?」
「え・・そやって気楽に考えてええって、沢木さんが・・」
「いやいや、当てずっぽでもかまんのよ。そやきんど、その位置は、一般的には有り得んきんの」
「はは、そやきん・・堪えてつかあ、わし、素人じゃきんな」
ヤマチューが照れ隠しに笑った。沢木も笑った。しかし・・
「はは・・わしが思った以上かも知れんの、のう、ヤマチュー君。醤油屋辞めて、しばらくわしんとこで、アルバイトでもええきん働いて見んか?競翔やる時間もちゃんと作るし、醤油屋で働いとった時給の1.5倍位は出せるわ」
ヤマチューは、そんな沢木の突然の言葉に驚いた。
「ええっ!何で、何でわし見たいな者を?今、おかしかったじゃろがね、わし見たいなど素人が変な配置を言う、こななセンスの欠片も無い、アホで?わし・・沢木さん」




