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師匠と共に

 沢木は、建築中の部屋の一角にある、テーブルに彼を座らせると、車の中から飲み物と、軽い食事を持って来る。そして、ヤマチューに勧めながら、


「ヤマチュー君には、申し訳無いきんど、ちょっと色々君の事調べさせて貰うた。気悪うせんでくれよ」

「えっ!」


 缶コーヒーを飲んでいたヤマチューが、少し驚いて沢木を見る。沢木の眼は、先程の柔和な顔から、少し厳しい顔に変わっていた。少しどきっとした。


「ヤマチュー君は、今の仕事好きか?満足しとるか?」

「え・・」


 ヤマチューは突然言われて、少し返答に窮した。


「いや、突然こなな質問もおかしいわの、今の仕事は、危うく鑑別所に入れられる寸前に、西条の兄やんの世話で勤めたんじゃわの、そやきんど一日も休まんと、真面目に働いて来たちゅうて、周囲も認めとるし、今ヤマチュー君も、立派に成長して仕事もきちんとやんじょる」

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