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師匠と共に

「何や・・ほなな事考えてくれとったんか・・。わし、嬉しいで、おおきに、おおきに」


 子供に礼を言う。修二には、新川社長の職人を大事にしてくれるその温かい気持ちに、少し感動して胸が詰まった。仕事の鬼として、非常に厳しい新川社長であるが、一端仕事から離れ、又好きな鳩の事をやっている時、温和で優しい眼をして何時も見守ってくれた。だからこそ善さんも、自分の人生全てを賭けて、これまで新川家具の職人として働いて来た。修二もここまで来れた、新川社長に 深く尊敬し、感謝しているのだった。

 信一郎は、


「お父さん、善さんは館長さんとしてやって貰いますが、顔は出して上げてくれますよね?」

「はは、勿論や無いかい。毎日でも行くで・・ありゃ?ほしたら、わし引退した事にならへんのと違うか?」


 3人はそこで笑った。

 3人が旅館に戻ると、善さんと沢木が、何やら楽しそうにやりとりをしている。

 それは、スクラップ写真を持って来た善さんが、家具の一部だけ沢木に見せて、それがどんな物かを当てさせているのだった。新川も面白がって参加する。信一郎と修二は、又風呂に入りに行くと言って、部屋から出て行った。

 こうして、人の思いやりや心の連鎖は、複雑さも許容するが、常に前に向って行く。

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