845/3046
師匠と共に
「今晩は、お父さんと呼ばせて貰いますわ。善さんは、お父さんと一緒に仕事やりたかったんやと思います。」
「それは嬉しい事や。そやけど、人間はどこかで引かないかん。幸いにして新川家具は、お前が担当になって経営を切り盛りしてくれるし、佐久間社長もHZKの本社をこっちに移転する言う有り難い話もしてくれた。そやから決心もついたのや」
「お父さんが懇願した沢木さんが、跡を引き受けてくれたら又違ったかも知れませんね、それは私も同じですが・・今日の話を聞いてまして、沢木さんは新川家具と言う枠には収まらないと思いました。あの方は、そんなスケールでは量れないと無いと思います。もっと言えば、お父さんが引退すると言えば、沢木さんも、善さんと同じくHZKを退社されるような気が致しました」
「あ・・!しもた・・わし、沢木に、九州でわしが引退するまでは居ってくれ言うてもうた・・」
新川が言うと、
それまで黙って聞いていた修二が、




