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師匠と共に

「ふ・・沢木。お前は知ってたやろが、ラーメン屋の件・・修二に聞かす為に言うてくれたんやな?」


 善さんが言う。沢木はにやっとしたが、答えなかった。

 しばらく無言の二人。心地良い酒を飲み、気持ちの良い風呂に入った。クーラーの風が今は快適だ。


「なあ、少し無理聞いてくれへんか?沢木」

「何かいね?善さんの頼みじゃったら、喜んで聞くでわし」


 沢木が善さんの顔を見る。今年で善さんも68歳になる。この年まで必要とされたのも、新川家具の屋台骨として、その技量を如何無く発揮して来たからだ。


「わし、しばらくお前のとこで居らせて貰えんか?」

「え・・どう言う事な、それ。勿論わしの家に何泊でもかまへんし、大歓迎する。そやきんど、善さん、孫の守するんと違うんな?長女が家出て、次女が一緒に住んどる。その孫が小学1年と幼稚園の年中さんじゃろ?男の子と女の子。可愛い盛りやがな」

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