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由香里と勇次
「ちぇ・・やれやれじゃ。ま、由香里ちゃん。礼を言われるまでも無いきんど、わしの呼び名の変更はもう利かんようじゃのう・・」
頭を掻く妻鳥に、少し由香里も申し訳無さそうに、
「御免なさい・・でも、からかうつもりで呼んだんと違うきん・・」
「ふ・ええわ、ええわ。慣れたら、ええんじゃ。つまとりじゃの、めんどりじゃの言われるとんとそなん変わらんわい、わはは」
かーおいちゃんも、同じく笑った。
由香里の存在は、こうして一気に東予連合会に浸透して無くてはならないものになって行くのであった。その洞察力・・やはり、松本が言う天性の持ち得るものであろう・・と誰もがこの時感じた。




