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師匠と共に

 和やかな談笑の中で、沢木が用意したのは、大きな鯛をあしらった舟盛であった。それは見事な物で、素材の良さを失う事無く、一つ一つ丁寧に手を加えてあった。関西にも名料理店、割烹は多い。しかし、それは、見る者を楽しませるような調理であり、細工であった。

 新川が・・


「善さんにあやかっての料理やの、全く手を抜く事無く、それぞれの素材をアピールしとる。これは芸術品のような料理や、さぞかし名のある調理人やろうな、沢木」


 沢木はにこっとすると、


「高名な調理人では無いですきんど、絶対今から世に出ますわ。わしが言うた通り、それ以上に作ってくれたです。呼びますわ」


 すぐ、出て来たのは、30代前半のきりりと眉毛がしまった板前であった。この板前は沢木が、この料亭に紹介した男で、持ち前の負けん気と、意気溢れんばかりの行動力で、トラブル続きとなり渡り歩いた料理屋から、沢木の助言でやっとこの料亭で花開こうとしている、有田寛治と言う男であった。勿論、後に高名な料理人になって行く。本物を持った男であった。

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