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白城(びゃくじょう)

「ははは」

「きゃはは」


 娘と付き合う彼氏。その彼氏は、沢木と同じ連合会所属だ。競翔家として訪問するとりと、娘の彼として見せる顔は、別物だった。

 沢木は勤めて、自分の見てきた面白話を2人に聞かせるのであった。突如見せた沢木の涙。それは浜田の脳裏にも強く焼きついていた。


「あいつ・・3ヶ月位、立ちあがれん程落胆しとったらしいきんど・・未だ癒えとらんの・・もう30年も経っとるのに。わしゃあ、言葉の流れでああ言うた。そやきんど、太郎号の事は、もう昔話にわしの中でなっとるんじゃ・・ちょっと済まん事言うたかのう・・」


 この剛直な男が気にしていた。体や態度とは裏腹に、心の中に優しいものを宿しているのは、誰でも知っている。これが浜田と言う曲者かも知れないが、人間なのであった。

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