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由香里と勇次
「何言うたんじゃ?今、由香里・・」
ヒデ君が問う。その言葉にヤマチューが、
「おい、えらい親しいや無いか、大道。由香里ちゃんを呼び捨てにしてからに」
大道が答える。
「山下さん、わし、由香里と同じ中学やったんじゃ」
「あ、ほうかいな。ふうん・・、あ、それより、由香里ちゃん、面白い事言うや無いかい。わし等笑わそ思うて言うたんかいね?」
明るい男である、ヤマチューがにこにこして聞くと、由香里は真顔で首を振る。
「いや、そななんと違うんやきんど、この子(鳩)家に奥さんを残して来とるきん、早う帰りたいって泣きよるんと思うんよ」
2人が余りに突拍子も無い由香里の言葉に、互いに顔を見合せた。そこへ、その鳩の飼い主、かーおいちゃんが近寄った。
「あ、かーおいちゃん。この子早う家に帰りたいって泣いとるよ」




