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白城(びゃくじょう)
「分かった。ほな、そなな動き止めとけや。おいやんに迷惑になる。同調しとるアホにもちゃんと言うとってくれや。ほな、わしに対する浜やんの考え聞くわ、反論もせんきん、言うてくれ。成る程と思う事あったら、わしも昔の若造と違うきん、ちょっとは動かせるもんもあるきに」
「アホ、アホ言うな。お前が賢いんは知っとるきんど・・」
沢木は軽く笑った。
「くく・・反論せんちゅうてするきんどの、賢いに比して馬鹿っちゅうのが適当。アホちゅうんは、上から見下した言葉では無いきんの。関西は、親しい仲間に対する表現の一つやきん」
「ほんまに・・お前はねんご(理屈っぽいの意)なの・・ま、ええわい。それは、わしもそなん気で無かったきん勿論止めるわ」
どうにか浜田は、同じテーブルに乗ったようだ。先にも言ったように、沢木が浜田を説得する意志は毛頭無かった。所謂ガス抜きを、ここでさせてやるつもりだったのだから。




