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白城(びゃくじょう)
「合う、合わんはしょう無い。そら、無理に合わす必要は無いきんの、ほれとは、今さっきの話は全く別じゃ。浜やん、南部×今西系をもう30年も飼うて来て、20年振りに復活する700キロレースがあかんちゅう根拠は何じゃい?」
「くそ・・お前は、又言葉でわしを言い負かそ思いよるの、そうはいかんぞ」
「聞く耳持たんのじゃの・ほな、しょう無い、表出んか浜やん、よおちゃん警察呼んどってや、わしは一発殴られたら、この汚ない顔でも客と応対せにゃならんきん、商売に差し障る。訴えるきに」
ぐっと、浜田は唇を噛み締めた。この時沢木は本気だったと言う。つまりこれは絶好の機会、不穏な動きをしている浜田達がシーズンに突入して、色々揉め事が起きてはつまらない。その沢木には迫力があった。浜田が、
「言え、ほんなら」
憮然として、言うと、
「聞くんはわしじゃが?根拠は?浜やん」
一歩も沢木は引かない。
「・・若鳩の700キロは正直負担が大きいきんじゃ・・特にわしの血統はの」




