白城(びゃくじょう)
「おう、わしは今の川滝さんとこの鳩を育てる。その上で、マリンバ号系統と交配させる。2年先の話やきんど」
「俺もな、1000キロを目標に育てるつもりじゃ。今までも1100キロとか参加させてきたきんど、俺の血統は中距離系じゃと思う。そやきんど、700キロまでで終わらせる血統でも無いきんな」
「おう!互いに頑張らんか、の、カトちゃん。沢木さんも言うとった。カトちゃん見たいに、熱心に細やかに管理出来る競翔家は、必ず結果がついて来るちゅうて。ほんで、ロベールシオン系は、実績がある、日本で定着して来た血統やきん、この先もしっかりした管理やっとりゃ、間違い無いゆうとったわ。わしな、沢木さんを目標にする」
「うん、互いに目標を目指そうで!」
嘗てのいじめっ子と、いじめられっ子・・短期間にもうそんな過去は消えて、深い友情として新たな歴史を作ろうとしていた。人は共通の話題をぶつけ合える空間を持つべきだ。そこでは自分の心を開放出来るのだから。
そして、又こちらも意外な方向に進んでいた。
ヒデ君の母が、最近腰を少し悪くして東予市の接骨院に通っていたものの改善せず、1週間前から三観総合病院で治療に通っていた。
そんな時、午後からの診療で病院を訪れていた。




