白城(びゃくじょう)
「ええのう、カトちゃんとこの鳩。全部粒が揃うとるわ。やや小型で、純粋の1系統っちゅう感じじゃな」
ヤマチューの熱心さは、連合会内でも群を抜いている。加藤も過去を払拭するように、最近は良くヤマチューと会話したり、付き合うようになっていた。
「ヤマチュ-は、やっぱり長距離目指すん?」
「おう・・西条さんとこのハンセンマリンバ号系統は、来年春からは、羽幌GCH1300キロレースに照準を合わすらしいわ。わしんとこは、言うたら同系統。同じ土俵でやった所で、西条さん見たいなベテランには到底敵わんし、わしは、川滝系を預かっとる。春に使翔して自分の方向が見えたような気がすんじゃ」
「稚内GNな?」
「おう、そうじゃ。わしは、四国3系と言われる夜風系、川滝系、ほれに今度から羽幌GCHレースを主体にすると言われよるきんど、西条系言うてもええ3系統は、長距離系で名が通っとる。他にも長距離を目指す鳩舎も多いきんどの、沢木さんに言われた。「お前はどこを目指すんか、川滝系の選手鳩を何で受け継いだんか、それを考えて見い」ちゅうて。わしは、春に川滝系を使翔して思うた。洋二さん、とりさんとは同じ道ではわしはいかんとの」
加藤がすぐ、
「ほんで・・やっぱり稚内GNかいね、ヤマチューは」




