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白城(びゃくじょう)
副院長である、山岡が、
「こう考えられませんか?砂原博士。S工大が、何かの使命を受けて極秘裏にこのような動きをするからには、むしろ愛媛大学や、この三観総合病院を利用してくれただけでも光栄であるし、即ち今後も何か、S工大と繋がるものを与えてくれたのだと。全国に無数にある大学病院や、公立病院において昨今様々な機会で、S工大の実験と言えば御幣が生じるが、最先端医療が現場サイドに進められている。その中でも特に今回は著名なお二人の名が挙がっている訳ですから。今は、提供を受けるだけで満足と言う事で納得しませんか?お互いに・・」
そうかも知れないな・・少し功に逸り焦っていた自分に、砂原も気づいた。そうだ、足がかりをつけられただけで、今後もこう言うクランケがある可能性が高いのだ。砂原は、由香里を搬送した特別車で愛媛大学に戻って行った。




