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由香里と勇次
「あ・・妻鳥さん、何言うて呼ばせて貰お・・妻鳥・・あ!とりさん!・・きゃはは」
妻鳥がその明るい由香里の笑い声に、
「とりかいや・・あはは・・しゃあないの・・それで呼んでくれや・・そやきんど、原、大川、川関の悪餓鬼3人に何言うてからかわれるか・・」
やっと、妻鳥はここで、平時の彼に戻った。由香里はとっくに妻鳥と言う個人を感覚的に見抜いて、距離を縮めていたのであろう。その笑い顔に、
「笑うと、可愛いで・・とりさん」
由香里は手を振りながら、帰って行った。
松本が、ぼおっと突っ立っている妻鳥に、背後から、
「おい・・どなんしたんじゃ。今日のお前・・そやきんど、明るうてええ娘じゃ、のう、妻鳥」
ここで、妻鳥はもう一度松本の家に入りなおした。川滝は帰って行った。




