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由香里と勇次
由香里が顔を覆って笑った。
そんな話の中で、食事も終わり、帰ろうとした由香里に、松本が
「あ・由香里ちゃんよ。今度の土曜日の7時に、500キロレースがあるんよ。何なら見に来んか?」
「え!かまわんの?おいやん」
おいやん・・?妻鳥が眼を瞠った。松本が由香里にそう呼べと言ってるらしかった。
「何もかまわん。こう言うの見るんは楽しいぞ」
川滝も言う。
「有難う、かーおいちゃん」
川滝が、由香里にそう呼ばれて、目を細めて嬉しそうな顔をした。由香里には不思議な魅力がある。それは、自分と他人の距離を感じさせない。天性のものがあった。
そして、由香里は、妻鳥にも




