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白城(びゃくじょう)

 そして・・


「成る程、良く分かりました。岩瀬さんの言う事・・尤もよ、私もそう思う」


 ほっとした顔になり、岩瀬が少し体の力を抜いていた。


「けどね、岩瀬さん。これは病院内のトップシークレットなんよ。貴女は、それに従うしか無いわよ。病院と言うのは、組織が機能して成り立つけども、それだけじゃ無い部分もある。まして、当病院の担当である、岡山大学じゃ無い、愛媛大学からこの要請が来てるって話だから、余程の事情があると思いなさい。いえ、むしろ組織だからこそ貴女は黙って従うしか無い。それも分かるわね?」


 一転して厳しい言葉が返って来た岩瀬が、今度は蒼白になっていた。理屈は分かる。誰もが正論を吐くが、上からのトップシークレットと言われれば、理不尽な事でも沈黙せざるを得ない。岩瀬は退出した。代わって、今度は環の天敵と言われる津島師長が呼ばれた。今後の由香里の治療にあたっての担当師長となるからであった。


「治療は、理学療法士に沢木さん、担当師長には津島さんになって頂きます」


 白川の言葉に、


「指名ですが、何故私に?」

「今度の治療は、大きなプロジェクトだからです。一番お任せ出来る師長さんだと思うから」

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