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白城(びゃくじょう)

 清治が、


「沢木さんは、香月博士と同じです・・どこまでも深く、そして清らかな川の流れが見えます・・僕、心より尊敬します」


 清治には、沢木の姿がはっきり見えるのであった。

 浦部も政春も、その沢木の大きさは充分に感じていた。一体・・この方は・・香月でさえも意見を求める競翔家。聞けば、ちゃんと自分の考えを話してくれる。何一つこの沢木には隠す言葉も無かった・・しかし、凡人では、到底100歩先を歩く人の影すら追えそうに無かった。二人は、何故、今、四国で競翔の新革命が起きようとしているのか、良く分からないが、沢木に会って話を聞けた事、その事に納得して戻って行った。

 先に、とりに話した松本の会話が、何となく今の沢木の言葉と繋がるような気がする・・。

 が・・競翔とは理論ありきでは無い・・生きている動物は、機械的に人間の思惑通りに作動し得る筈も無い。ましてや、千変万化する自然を相手にしては・・


 そして、急速に回復に向う由香里に、思わぬ朗報が、


「えっ!香川県の三観総合病院に転院になるん?」

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