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白城(びゃくじょう)
清治はにこりとして、
「ふふ・・沢木さんに現実にお会いして、僕も良く分かりました。香月博士にも感じたような、偉大なものを感じています」
「わしは路傍の石よ、はは。今日来られた訳は聞かずとも分かるきんど、清治君、君は初霜号系の未来を見たいんか?それを予測して何とする?」
沢木が訪ねると、清治が首を振る。
「いえ、僕には予知能力がありますが、未来を自分の意思で見る事は出来ません。又、自分では見ないように心がけています。それは僕自身の自己抑止力、自己防衛反応だと思います」
沢木がにこりとして、浦部、政春と会話する。その二人とも超人的な沢木の記憶力や、話から感じる、果てしなく広がるような無限の大きさを感じた。何故、今、四国で沢木を中心として競翔界が動こうとしているのか、それは必然のようにも思えたのだった。
又、清治は1羽の鳩を沢木に差し出すと、




