白城(びゃくじょう)
「いやいや、済まん。由香里ちゃんが、こないに日毎に良うなっとるちゅうんも、何か見えん縁、運命見たいなもんを感じるのう言う話じゃ。わし見たいな現実主義の男がこなん言うんも珍しいわの、済まん、済まん」
由香里が、即、
「ううん、じゅんおっちゃんの言う事、良う分かる。そやって、うちの足が戻って来て自分のもんになった言う実感があるし、こなん事考えられんと思うきんど、今うちの両足の指5本とも自分の意思で動かせるんよ、これ奇跡、夢じゃわ。嬉しい・・」
満面の笑みを浮かべて沢木は、その由香里の言葉を同じく喜んだ。
洋司も、しばらく見なかった娘の今の元気を取り戻した姿を見て、肩を震わせて泣き、喜んだのだった。
そして、更に奇跡が起きようとしていた。
何と、その数日後俵親子と、浦部が沢木の所へ訪問したのだった。それは佐野から連絡を受けて、実際に香月初霜号系を自分の眼で確かめる為に・・沢木は一瞬にして、この俵清治と言う少年の不思議な能力を感じた。それは、清治自身にも言える事だが、会って見て、沢木がより鮮明に自分の眼に映ったのであった。
沢木が、
「清治君ちゅうたな、由香里ちゃんにも感じる以上のものを君に感じるわ。君は超能力者じゃの?相当に強いもんを感じたわ、今」




