白城(びゃくじょう)
綿市が、
「沢木が仕掛けたちゅうや無いかいな、ありゃ、突然この世界に戻んて来た思うたら、川上理事やら、香月博士まで、どななルートで結びついとんか知らんけど、色々工作しとる見たいじゃわ」
「綿市、お前は知らんかったわの、沢木っちゃ、関西の新川はんとこで働いとったし、今もHZKちゅうグループ内で仕事しよるらしいわ。新川はんと、川上さんの仲は有名やきんの、そっちの関係じゃろ、多分」
「浜やん、鎌足はんが手塩に掛けて育てて来た夜風系が、関東に行き、松本さんとこ行き、ほんで川滝さんも居らんくなった。この連合会もあの時代に比べたら、春から人数も増えて、ちょびっとは変わってきたかと思うで。ほやきんどな、又、あいつに混ぜ回して貰いと無いんじゃわ。時代も様変わりする、会員数も伸び悩み、若い子は少ななって来た。ほんでもな、楽しいにやれたらほんでええんじゃ。わしゃ」
綿市が言うと、
「ほれはな、わしもそうじゃ。そやきんど、この流れは、大勢がスピ-ド重視の時代に傾きよる」
浜田は苦々しく答えた。
「わしゃあ、沢木が昔っから稚内から当日戻れる鳩を作るなんちゅう馬鹿げた夢の為に、振り回されとう無いんじゃ・・」
綿市が同じく顔を歪めて言った。




