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由香里と勇次
「由香里ちゃん、言うんじゃね、楽しいに一緒にやろや、分からん事あったら、何でも聞いてな」
はきはきした口調で、長髪の山下がそう言うと、
「有難う、山下さん」
「わしも、年もそなん変わらんのやきん、何時でも困った事あったら、ゆうてや。手伝うきんな」
こっちは短髪で小柄な男であるが、優しそうな印象のある石川。
「有難う、石川さん」
石川が、
「もうわし等の名前覚えてくれたんな!ほな、わし、山下忠治ちゅうんや、今度からチューさんって呼んでや。チュー君でもええで」
にこにこしながら、由香里が、
「ほんまに、チューさん、チュー君て呼んででええの?ふふ」
「おう!かまへん、えんじゃ、えんじゃ」
山下は明るい雰囲気でどうやら、若い連中の中心人物のようだった。




