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白城(びゃくじょう)
「え・・?」
少し村本が躊躇した。何で自分の種鳩を、全く訪問もした事の無い沢木が知っているのか?と言う顔だった。
「何じゃ・・驚くような話かいの?2年前の500キロダービーで四国総合3位に入ったじゃろが?その時連盟誌に紹介されとった。次の年の700キロで種鳩にしたんか?」
「え・・ええ」
沢木の超人的な記憶力は知っている。この前も工藤が、テレビ局の番組中に、ある女性占師に沢木が噛み付いたと言う話を入手したばかりだ。完璧なまでに占師の執筆や、過去本の矛盾点を付き、大騒ぎになった所で、オンエアされなかったと言う。その時沢木は一傍聴者として参加していたが、司会者が質問のマイクを彼に向けた時からそれは始まり、赤面したその女性占師が、
「人によって言葉を変え、相談を受けた内容が変化するのは当然。だからこそ、私に対して他の占師から聞けない言葉を受け、自分の指標にしてるのよ!占いとは、何千年ものデータが積み重なった情報伝達よ!」
沢木は、にやっと笑い、




