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白城(びゃくじょう)

「ですが、沢木さんは、もっと大胆で凄い事を考えて居られる。それも、四国に置いて唯1羽も稚内GNレースを記録した事の無い時代に・・その当時の競翔家達は、何と大言壮語するビッグマウスな男だろうと言われた事でしょうね?」


 沢木が、


「佐野君は、ご存知無いかも知れませんきんど、この四国、東予地方にあたるこの地区は、日本三大風と言われる山からの吹き降ろし風が強い所なんですわ。山路風やまじかぜと言います。その風が吹くと風速15~20メートルは当たり前。特に南西からの風は強うて、台風の時には、他の地区より風が強いんですわ。50メートルの風速を超える事もあります。その風っちゅうんが難題なもんでね、わし等は、色んな血統の鳩を導入しては、あれやこれやと改良して来たんですわ。残ったんが、夜風系、川滝系、西条さんの、ハンセン系マリンバ系統群。近年更に色んな血統を導入して、これまでに培って来た使翔法で、皆独自に自分の血統ちゅうんを頑固に守ってやっとります。わしゃあ、確かにこの地で長い事競翔やろう思うたら、それが正解かも知れんとも思うとるし、こう言う土地柄で、古うから競翔をやっとる人間には、受け入れられん要素も多分にあるんは承知しとんです。そやきんこそ、わしは尚更の事、もっともっと上にレベルを上げて・・つまり、稚内GNレースを当日戻れるようなスピードと体力を持った鳩を目指しとるんです。過去の紫竜号、白竜号は、当にその夢に手が届くやも知れん鳩じゃった。ほして、わしのすずらん号も・・けど、競翔の神さんがもし居られとんなら、そなな事は当時のわしにはチャンスを与えてくれなんだ。佐野君、何でこの香月博士が、この田舎もんの中年に初霜号系を託してくれたんかは、わしが今話した通りです。そやきん、四国の競翔を変えるやも知れんと言うたんです。もう一つ・・それでも、わしはこの秀抜な5羽でさえも、稚内当日帰り等は夢の夢だろうと思うとります。世にスピード系と称される鳩は無数に居ります。現役で狙える鳩が居るとすれば、風神系、暁号系交配の清竜号じゃろうと思います」

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