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由香里と勇次

「あ、かまへんきん、自分でやります」


 由香里は玄関からスロープを使って、座に上がった。松本が改築したお陰でスムーズに座に着く事が出来たのだった。場のそれまでの盛り上がりが嘘のように静かになった。


「お・・妻鳥・・お前、何時まで由香里ちゃんの傍に居る・・こっち戻って来いや、アホ」


 ははは・・松本の言葉に笑いが漏れる。妻鳥が罰の悪い顔で自分の席に戻った。


「ほな・・由香里ちゃんが来た所で自己紹介しよ・・わしが一応会長やっとる、松本です。ちゅうても、由香里ちゃんは、わしとは顔見知りやきん、順番・・そうじゃの、年長者から行こかの・・その前に今秋から競翔する、佐々木由香里ちゃんです、皆よろしゅう」

「佐々木由香里です。何しろ初めて競翔するきん、右も左も分かりません・・ほんでも、皆さんに色々教わって、楽しんでやれたら思うんで、よろしくお願いします」

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