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白城(びゃくじょう)

「種鳩として、子孫が余りぱっとせなんだんですな?」

「は・・はい、そうなんです。原因がお分かりでしょうか?沢木さんなら」


 沢木は途端に顔を歪め、大声で笑った。


「わっははは・・わははは・・そなん、そなん無茶振りされたら、わしは答えようが無い。ねえ?香月博士」


 香月も、


「ふふ・・そうですね。それは、佐野さん飛躍し過ぎです。交配は億万の偶然による成功の産物。幾ら何でもそれはお答え出来ませんよ。佐野さん、私なら、こう聞きます。沢木さんなら、この鳩に合いそうな血統を飼育されている競翔家は、ご存知無いですか?と」


 沢木は目を丸くした。


「く・・くくく・・。それでもわしには、答えは出せんです。交配の妙を語れる程わしは学者では無いし、過去のデータしか持って無い男ですから」

「その・・過去データが超人並みの沢木さんにお聞きします。このV・ロビンソン系と合う血統とは?」

「この鳩は、5重近親位かいね?佐野君。源鳩の丹木号(タンギ号)親鳩 カール号の・・」

「・・どうして・・そんな血統まで・・驚きですよ。沢木さん」


 佐野が、今度はもっとびっくりした表情になった。

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