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白城(びゃくじょう)
「大変、カイちゃんのご飯」
柴犬の子、カイの朝ご飯を心配する環に、
「大丈夫じゃ、スタッフの誰かが餌はやってくれとる筈じゃきん。事務所に札が掛かって無い時は、誰かが当番で餌やるようにしとるし、餌担当の者が散歩も連れて行きよる」
「申し訳無いね・・うちの子やのに」
環が言うと、
「最初っから、そなな事は計算済みじゃわ。環、お前じゃって、夜勤こそ無いもんの、準夜勤もあるし、突然の出張もあるじゃろが?わしじゃって、前見たいな長期の出張は無いきんど、1日事務所を空ける事もままある。要は、どう動物を飼う者が責任を持てるかと言う所から始まるんじゃ、の?可愛い、欲しいっちゅうて、そなな衝動で動物を飼うもんで無い」
「はいはい・・ほな親父、飯食う?」
何時もの説教親父に眉を潜めながら、環が言うと、
「アホう!人間様に飯食うっちゃあるかい!ご飯と言う言葉は、感謝の意味があるんじゃ!環」
「・・はい・・」
環はぺろっと舌を出しながら、手早く父の為に朝食を用意した。或いは、母がこそっと父の朝食を作ってくれと環に頼んでいたのかも知れないが・・。




