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白城(びゃくじょう)

「はあ、毎日のように連合会の皆が来てくれよるし、近所のおばさん連中やら、仕事帰りに会社の連中も来てくれたりで・・」

「ほうか・・」


 客の少ない時間を見越してぷらっと顔を出す。これが、沢木流の思いやり、気遣いである。それを感じない洋司では無かった。

 洋司が軽食を作り、沢木の前に座った。


「よおちゃん、昼飯か?」


 沢木がにこっとする。洋司は頷き、沢木の分も差し出した。

 一口沢木が口に・・


「ほう・・八重ちゃんの手料理のレパートリーじゃの。よおちゃんも腕を上げたのう、元々器用なきんの、お前は」

「はは・・じゅんさんの口に合うとんなら、わしもちょびっと自信がつきますわ」


 洋司もにこっと笑った。

 沢木と言う信頼し、尊敬出来る人が居る。嘗ての香月が、川上氏に接したように、この関係が揺らぐ事は決して無い。物事の決心は迅速に・・沢木はすぐ喫茶店への佐々木家の改造案を出し、あっと言う間に斬新なデザインのリフォームを完成させた。それも出来るだけ佐々木家の負担を軽くして。

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