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白城(びゃくじょう)

 盛夏・・

 喫茶店に瞬く間に変貌した佐々木家の一階は、沢木の強い喫茶店開店への勧めで、そのリフォーム工事によって明るい色調で落ち着いた近代的センスの店になっていた。

 連日のように東予連合会の会員達が訪れ、とりわけこの「白城」は、競翔家達の社交場として賑わいを見せていた。この日も若い会員達、ヤマチュー、ター君と、少しテーブルを異にしてイクちゃん、ヒデ君が座っていた。

 洋司に、


「洋司さん、未だ由香里ちゃんは?」


 イクちゃんが尋ねた。


「あ・・うん。通信大学の夏季ゼミでな、これで単位が稼げるきん、もうちょっとじゃ」

「そうですか・・」


 少しがっかりしたような顔でイクちゃんが言う。少し離れたテーブルで、ヤマチューが視線を窓外に向けて複雑そうな顔を一瞬浮かべた。

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