閃きの中で・・

変化する日常

「それは、確かに素晴らしい事じゃ。川上理事長のお考えも賛同しとる。そやきんどじゃ、その土地、土地には長年順応して来た系統が生き残り、頑固ではあるきんど守り育てて来た自分の鳩舎の流儀がある。お前なら、確かに香月初霜号系を使翔出来るじゃろう、秋山君もペパーマン系を使翔して来たんじゃきん、それはそう難しい事では無いかも知れん。ほんじゃきんどじゃ、今この中に、誰かこの系統を使翔したいちゅうて願い出る者居るんか？のう、皆どななんぞ？」

　その松本の言葉に、即反応した者が居た。旭である。

「松本っさん。わし、大賛成じゃ。手挙げるで。小谷さん、わしは前から貴方の血統に興味があったんですわ。今日ここに来られとる言う事は、小谷さんも委託の話に賛成なんじゃね？」

「ほら・・おいやん、居るや無いか。小谷さんとは昼間色んな話させて貰うた。旭君、わし、君は絶対手挙げる思うとった。君の流儀なら絶対合うと思う」

「困ったな・・はは。旭さん、実は自分もそうなんです。けど、今自分が使翔しているのは中距離主体のスピード系なんですよ、聞けば短距離から長距離のオールマイティな強豪鳩舎と聞き及びます。その辺はいかがですか？」

　沢木がにやりとする。旭を見つめるが、