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変化する日常
「そうです。四国の東予連合会には熱心な若手が居る。そんな話を聞きまして、色々調べさせて頂きました。秋山さんの種鳩にされているエリーナ号、ブレイン号は、パイロン号とは異曾母兄弟の飛ぶ筋ですよね。成績も素晴らしい。そこで、私も今沢木さんが言われるような、委託を思い立ったのです。関西からGNは1300キロ、しかし、四国からだと1400キロレース。それは、新たな磯川ペパーマン系の可能性を見つける事に繋がりますので」
へえ・・会員達がざわざわしだした。香月が沈黙を破り、
「私の香月系も既に暁号系は、5つの鳩舎に委託しております。磯川さんもその考えには前々から同感されてまして、今のような話に繋がった訳です。それこそ、義父が望む、日本全国委託競翔・・即ち、競翔鳩の真に改良に繋がるものだと思っています」
「ほほう・・そなな話を・・じゅん・・お前は、もう電光石火の如くに進めよったんかい。そやきんど、ちょっと待て・・」
松本が言う。沢木は、
「何を待てじゃて?おいやん、何が言いたいんじゃ?」
松本は少し厳しい顔であった。




