変化する日常
沢木が、がっしりと、とりと握手をする。自分の彼氏が父親に認められる・・褒められるのは何だか嬉しい。環は上機嫌になって、沢木にカイを手渡すと、とりと出かけて行った。
「はは・・カイ。ほな留守番しとってくれや。ちゃんと、ぬいぐるみと時計を入れとってやるきんの」
カイの頭を撫でながら、当分は辛抱してくれやと、中2階に未だ設置したままのピラミッド型の犬小屋に入れる。カイは淋しがる様子も無く、すっとその中に入った。
「もうちっとの辛抱じゃきんの、カイ・・」
そう呟くと、事務所を閉め帰宅して行く沢木だった・・・。
そして600キロレース持ち寄り日になった。新設された新放鳩地である。
このレースは、先に合同となる想定の基に創設されたが、当日の参加は連合会では思ったよりも少なかった。350羽余りの参加羽数で少し松本の顔が曇っていた。洋司、由香里の顔も見えない。その夜、突然思わぬ者が訪問して一同を驚かせていたのだった。
何と、*磯川の顔がそこにある。又、*小谷も居る。そして沢木が香月と何かを話しながら歩いて来たのである。
*白い雲 隻眼の竜 登場人物
「うお・・どなんしたんじゃ・・こりゃあ・・」




