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変化する日常
じーんとした3人だった。自分を全く隠さず、沢木が伝えたその言葉に、ぼろぼろ・・涙を零す二人。環も、父の搾り出すような心の奥底の部分を聞き、同じく涙を流した。
これ程までに、沢木が閃竜号に対して決心をさせた事。そして、この沢木の求める方向性は、決して香月とも違わなかったのである。
天才は天才を又知る。そして、その苦悩も分かち合う。香月はそう約束した。何が始まるのか、何がその先に待っているのか分からない。しかし、東予連合会、四国連盟、日本競翔界を激震させるような事を、彼等は始めようとしているのであった。
その既に沢木や、香月のやろうとしている一端は、すぐ明らかになって来る。
既に秋レースまでに、その東予連合会の競翔の土壌すら改革せんと動いていたのだった。
機に敏い、秋山達は既にパイロン号系を導入しようとしているように、沢木復帰と言う事だけでも周囲は動き、沢木自身も若手にアドバイスを送っている。
その内の一人、ヤマチューがこの3日後、沢木の事務所に訪ねて来る。




