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変化する日常
自分の気持ちをどう言うにしても、それは正直な二人の気持ちであろう。本音なんて、純粋に沢木を慕い、信頼している二人に何を隠す言葉もあろうか、環は由香里からカイを手渡され、父沢木に言う。
「親父・・何を聞きたいんな?二人に。黙っとっても分からんで」
少し強い調子で環は父に言うと、
「済まん、わしが聞きたかったんは、これから起きる色んな出来事も・・二人が許容してくれるかと言う事だったんじゃ。わしはの・・この閃竜号の素質を稚内GN1400キロメートルレースで当日戻れる鳩に育てたい、鍛えたい・・そなん思うんじゃ。それは、常軌を逸した事じゃろうと思うきんど、閃竜号を使翔するっちゅうんは、わしの役目や無いかと思うとる。競翔家は、言うまでも無う競翔鳩を育てる事じゃ。わしは、過去その競翔家になれんと背を向けてしもうた・・」




