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変化する日常
洋司が、
「そんな・・わしは。じゅんさんがする事じゃったら、何も言うつもりは無いし、由香里じゃってそうじゃわの?」
由香里も答える。
「うん、うちはじゅんおっちゃんがあって今がある、手術も受けられるようになった。ほんまの家族見たいに思うとる。そやきん・・そんな言葉聞いたら、ちょびっと悲しいなる・・」
少し眼を潤ませ加減の由香里に、環がこう言う。
「由香里・・違う、違う。そう言う意味や無しに、親父の言うんは、よおおっちゃんには、よおおっちゃんの考えがあるし、由香里には由香里の考えがある。それを互いに尊重し合える所に今言う線引きがあるちゅう話よ。親父は、いっつも小難しい言い方するきんど・・傍目で見とっても必ず一歩自分を引いとる。分かってな、こう言う人やきん」
その言葉に洋司がすぐ、
「分かっとる・・分かっとるきん、じゅんさん、環ちゃん。由香里、これがじゅんさんなんぞ、の?ほんなら、わし等の考え聞いて貰お・・ほな、じゅんさんわし等の本音言わせて貰うきん」
沢木は大きく黙って頷いた。




