変化する日常
「生後半年までは、体も未だじゃったきん、余り大きな変化は無かった。この1ヶ月から2ヶ月で急に変わったわの。これは、夜風系の血の影響もあるきんど、決して早熟では無い。むしろ、5~6歳になって力を発揮出来る鳩と見る。それが、すずらん号を自分の血統として将来像を描いて来たわしの方向性。つまり、特徴的な事はそこまでにしとくが、競翔鳩はそれだけで決め付けられるもんでは勿論無いわの?それだけの理由じゃったら、よおちゃん、由香里ちゃんにわしがアドバイスすりゃ済む事なんじゃきん、わしが預かる話にはならんわのう」
「あ・・はあ・・」
どう答えて良いのか分からぬ洋司。由香里も同じであった。しかし、かなり鮮明な閃竜号の姿が浮かび上がって来るにつれ、やはり自分達の今のレベルではこの閃竜号を使翔するのは、難しいとも感じていた。
沢木が更に言葉を繋いだ。何時もこんなに自分の考えを多く言う人では無かった。しかし、今日は多弁に語っている・・。
「わしはの、余り自分の考えを言わん男じゃ。それが欠点でもある言うんも承知しとる。誰しも人様から考えを押し付けられたり、ねんご(理屈)を言われたら好かんじゃろが?それが、よおちゃんとわしの間であってもじゃ。前にも言うたきんど、付き合いにはそう言う線引きが必要じゃとわしは思う。それが無いと、例え肉親の親兄弟であっても、揉め事が起こるきんじゃ」




