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変化する日常
それだけ聞いても、いかに優れた立地条件にして、管理が充分なのかは、素人でも分かる
そんな事は基本中の基本、と言いながら沢木は、
「さて・・本題。競翔家として見る、よおちゃんや、由香里ちゃんは、その必要なものを全部持っとる。並の競翔家では無いし、その感性は周囲の者も周知。そやきん、二人にはおぼろげながら、この閃竜号が輝竜号とは違う異端の鳩じゃとは感じとると思う、どうじゃ?」
「はい・・それは、感じとりますよ、わしも由香里も」
「おう・・言い現すなら、この閃竜号は野生馬、荒馬じゃ。自分のコントロールが全く出来ん、本能と、類希なる姿態によって速う飛び帰んじょんじゃろ。そやきん、この本能は、自らを必ず食い潰す。そのままではやがて滅びの道に向かうじゃろ・・それは香月博士もわしも全く同じ見解」
「うち・・閃竜号が太陽を背にして、真っ直ぐ落下して来る姿見て、正直怖かった・・この子、強い意思を持っとる・・誰にも束縛されんぞ言う見たいな・・」
沢木が頷いた。




