変化する日常
「わはは!根拠なんか、ほんまは無いんじゃ、擬似パワー言うてもええわの、科学的根拠は無いんじゃい、実際ピラミッドパワーちゅうんは。そやきんど、これは逆に言うたら鳩舎としての条件を存分に満たしとる。そやきん、わしが鳩舎として使う事にして、この『誡』(カイ・・犬の名)には、同じ形でもうちょっと小さい犬小屋を作って貰うた。今は中2階に置いてある。今日からこの屋上に持って来る。世話するんは、勿論環じゃ。餌やりと散歩は、環が出来ん時にはわしがするきんの、ははは」
「へえ・・」
可愛くて、由香里はじっと頭を撫でながら、カイを抱いて離さない。
「ほな・・色々説明しょ・・よおちゃん、閃竜号を鳩舎に入れるで」
「あ・・はい」
閃竜号はピラミッド鳩舎に入れられた。鳩舎の位置は屋上の東南の角、一辺は、真北、真南に向けられていると言う。科学的根拠は無くても、沢木が言うには、風水の理に適っていると言う。それだけでも、ピラミッド型鳩舎の建造意義は大きいと又笑う。そして、沢木ならではの数々の工夫と凡人で無い視点が明らかにされるのであった。奇想天外にして大胆。且つ科学的な視点を持ち、機能性、通気性にも優れ、鳩に対する最大の配慮をなされているのであった・・。




