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変化する日常
「わはは・・これは、新川さんとこの*佐久間修二君の苦心の作じゃ。2ヶ月掛かって作って貰うたんじゃ」
*修二の青春登場
その言葉に洋司と環が、敏感に反応した。
「ちょ・・と待ってつかよ・・じゅんさん、2ヶ月前からっちゅうたら、それ、じゅんさんが鳩飼う言うた時期と矛盾しとらんな?」
今度は環が笑う。
「ふふ・・きゃはは・・よおおっちゃん、これな、うちが特別に親父に頼んだんで・・ほんで、最初は鳩小屋違うきに・・」
由香里が環に、
「どう・・言う意味?環姉ちゃん」
環が笑った。
「きゃは・・ほな、種明かししよ。ちょっと待ってつかな」
そう言うと、環は一端階下に下がり、唖然としている洋司達の所に、一匹の子犬を抱いて再び屋上に姿を見せた。
「わあ、可愛い!」
由香里が、生後2ヶ月だと言う柴犬の子を、環から手渡され抱き上げた。
「理由は・・これ。実家では母さんが動物が大の苦手やきん、うちが親父に頼んでここで飼う予定じゃった。それが、鳩舎や無うて犬小屋。おしゃれじゃろ?これ」
「おしゃれて・・何で?こなな形・・」
沢木が大きな声で笑う。




